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第13回日本在宅看護学会学術集会を開催します

第13回日本在宅看護学会学術集会の学術集会長を拝命することになり、この度、第13回日本在宅看護学会学術集会のホームページを開設いたしました。

テーマは「在宅看護、すぐそばに在る」です。
様々な方々の在宅療養を支える仕組みができていますが、地域偏在や重複、事業所の継続性、職員の高齢化、社会保障の財源など、先々を見れば気になることばかりです。こうした問題に目を向けて、少しずつ看護学の力を結集してゆけるような機会にしたいと思います。

会期は11月18・19日で、ハイブリッドでの開催となりますので、会場、遠隔での参加が可能です。
またオンデマンド視聴期間もこれまでより延長する予定です。
参加しやすい学術集会にしたいと思いますので、ぜひ多くの方にご参加いただきたいと思います。

ホームページも順次、コンテンツも増やしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

清水準一

小児を対象とする訪問看護ステーションの探し方

twitterで、「本当は訪問看護ステーションを変えたいのだけど、病院のほうで調整してくれたし、他に対応してくれるところがあるかわからないから、我慢せざるを得ない」みたいな投稿をされている医療的ケア児のご家族の方がおられました。

たしかに介護保険のサービスについては、「介護サービス情報公表システム」があり、利用者さんやご家族自身が居住地域付近の訪問看護ステーションを探すこともできなくはないと思います。そして、高齢者の場合にはケアマネジャーさんに頼めば、情報提供してくれると思います。小児だとケアマネさんはいないので、上述したtwitterの方も主治医のいる医療機関のMSWの方などにご相談いただけるとよいのかなと思います。私としては全体としてどうなっているのかも気になるので研究者として利用できる情報源のほうに話のポイントを移しつつ、どんな方法があるのかを考えます。

実は医療保険の(小児の)訪問看護サービスについてはまとまったデータベースがないのが現状です(研究者としてもちょっと困ります)

とりあえず、医療保険の訪問看護ができるステーションは、厚生労働省の外局である関東信越厚生局などのHPから、一覧としてダウンロードすることができます。通常介護保険がつかえる事業所して申請するとこちらにも登録される仕組みがありますが、小児専門のステーションだと、こちらにしか登録がありません。

こちらに登録があるからと言って、小児の訪問看護に対応しているのかどうかは、これだけではわかりません。

一つ目として、訪問看護ステーションは地域ごとの協議会とか、教会というものを作っていて、そちらに一覧が掲載されている場合があります。東京都訪問看護ステーション協会の一覧神奈川県訪問看護ステーション協議会の一覧は小児に対応しているのかを含めて、とても分かりやすいです。ただし、全国どこでもこうなっているわけでもないし、加入は任意なので、網羅されているとは限らない…。

二つ目として、小児慢性特定疾病医療費助成の対象となるよう申請をしている訪問看護ステーションの一覧が考えられます。東京都の場合、一覧があり、児童相談所ができた地域にはそちらに事務を移管しているということですが、荒川区のHPでは、一覧を見つけることはできませんでした…(見つけた方教えてください)。千葉県の場合もPDFで一覧が公表されていました。政令市や中核市のサイトのリンクがあるのは親切!
ただ、制度上、申請しているだけで、実際に利用している児がいるかどうかはわかりません。

三つ目として、先ほど出てきた、介護保険の検索システムで訪問看護で、事業所を選んだら、詳細情報を表示させ、その中の「事業所の詳細」-「サービス内容」を選択すると、「訪問看護の提供(介護保険適用以外の利用者も含む)実績」という項目に、10歳未満や10代の利用者数が表示されますので、そちらで利用状況を把握することができます。この条件で検索する方法が見つからないので、1個ずつ見てゆく形になりそうです。

全数が定期的に更新されるデータベースがあって、検索式で簡単に見つかるとよいのですが、私は知りません。何か情報があれば、コメントなどいただければと思います。

こういうのを見ると、「データサイエンスの推進とかいう前に、持ってるデータを使える形で出してください!」とついつい愚痴りたくなります。

大学院説明会・個別相談会の開催

私が勤務している東京医療保健大学大学院千葉看護学研究科では、修士課程への進学を検討している皆さんを対象として、説明会、個別相談会を11/27(土)に開催します。Zoomでの遠隔対応も準備する予定ですので、進学を検討されておられる方、ぜひお申し込みください。
オンライン授業も活用して働きながら学べる大学院です。詳細やお申込みはリンク先を御覧ください。私はコミュニティケアの内容を主に担当していますが、入学時点では分野を特定せず、研究のテーマや関心を踏まえて指導教員を決めています。
研究科のページ:http://www.thcu.ac.jp/graduate/chiba/
説明会のご案内:https://t.co/JKgr6rYGSf?amp=1


ALS患者さんについて

ALS患者さんへの嘱託殺人が行われたというニュースが流れています。まだ真相がわかりませんので今後の状況を見守らなければなりませんが、刑事事件とは別の医療や福祉の視点で確認しておきたいことがあります。

私は今回の患者さんの「死にたいほど、辛い」という気持ちを雑に扱ってはいけないと思っています。私にそれがわかるとは言いませんが、患者さんへの訪問看護やその他のお付き合いの中で、どれほどのものか想像しうるものは持っていると思っています。また、病院での臨床で亡くなった方たちは、人工心肺を回しながら心電図がフラットになって機械を止める様な方々でした、そうした方々のそばにいて、自分が患者だったら「もういいよ」って人工心肺のスイッチをOFFしたいような気持ちを持つこともありました。

看護では「患者に寄り添う」ことが大事と教えます。しかし、ギリギリまで寄り添っても、やはり他者は他者であり、医療職がその一線を超え自律性を損なうことの危険も知らなければなりません。

現時点で言えることとして、今回の事件で行われてきたことは、微力ながらもこの20年、当事者と共に多くの医療職・関係者が取り組んできた神経難病患者さんに対しての生を支援する取り組み、例えば、難病法の成立、障害者サービスの拡充、早期からの緩和ケアの導入、外出支援やコミュニケーションの支援の拡充などとは、全く異なる次元のものであり、このような異次元の対応を契機に尊厳死を考えるとかそういう動きが出てくることには強い違和感を覚えます。こういう問題は現場での地道な活動の成果に基づいて、政治が道筋をつけていくことであり、上からの議論には何か別の意図が含まれている可能性を感じます。

是非、落ち着いた議論になることを願っています。

看護学実習に関する通知等のまとめ

COVID-19対応として、看護学実習に関する情報をまとめたメモ。

新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校、養成所及び養成施設等の対応について 厚生労働省・文部科学省 事務連絡令和2年2月28日

  1. 影響を受けた学生と受けていない学生との間に差が生じないような配慮と説明
  2. 教員不足や施設・設備の不足については、非常勤教師の確保や教室の転用等で対応
  3. 実習施設の変更に伴う申請時期は弾力的でOK
  4. 実習施設の確保が困難な場合、年度をまたいで実習してもいいし、演習や学内実習などで代替してもOK
  5. 実習中止や休講などがあっても必要な単位数があれば、受験資格を認める。→教育内容を縮減していいわけではないので、配慮するように

新型コロナウイルス感染症の発生に伴う医療関係職種等の各学校、養成所及び養成施設等の対応について 文部科学省・厚生労働省 事務連絡令和2年6月1日

  1.  2/28の1と同じ
  2.  2/28の2と同じ
  3.  2/28の3と同じ
  4. 実習内容の変更に関する承認申請・届け出は当面不要だが、今後調査する可能性があるので、整理しておくこと
  5. 実習については受講人数を分散させる。人数を会場の規模に合わせた適切な人数のみにするなど感染リスクに配慮
  6. 2/28の5と同じ
  7. 遠隔授業を活用しましょう
  8. 実践事例
    (1) 三密を避けた状態での、シミュレーターを用いての基本手技の実習。
    (2) オンラインによる模擬実習(カンファランス、ミニ講義、手術や手技のビデオ供覧と解説、試問、レポート提出)。
    (3) オンラインによる臨床推論能力の養成を目的とする授業。
    (4) 研究棟や講義棟での電子カルテを用いた症例検討や動画視聴、シミュレーターによる技能学習(人数制限並びに部屋の換気等感染防止措置を実施。)。
    (5) 実習の臨床実習予習ノートを用いたe- Learningによる在宅学習(各実習の指導教員がメールでの質問へ回答)。
    (6) 事例データベースを作成し、事例データベースを基に、学内においてシミュレーション教育を実施。
    (7) 臨床実習指導者参加型遠隔指導システムを活用し、書面や動画を含めて臨床推論指導を実施。
    (8) 実習先講師を招聘し、実習先での状況や実習を行った時の対応など、通常より現場に近い授業演習を実施。
    (9) 臨地(病室、在宅、居室)と大学をオンライン接続し、以下の内容の学内実習を行う。
    ・臨床実習への協力の同意を得た患者にオンラインで聴取する。
    ・指導教員が収集した患者の日々の様子の映像情報を用いて、計画を策定する。
    ・リアルタイムの患者の状況を確認・評価しながら、日々の計画を策定する。
    ・学生が役割分担するなどにより、学内でのロールプレイを通じて技術を修得する。

新型コロナウイルス感染症の発生に伴う看護師等養成所における臨地実習の取扱い等について 厚生労働省 令和2年6月22日事務連絡

1. 臨地実習に関する基本的な考え方を示した

新型コロナウイルス感染症の発生に伴う臨地実習の取扱いについては、各教育課程の進度を踏まえ、実習を実施する時期の後ろ倒し等、教育計画の変更を検討すること。検討の際には、知識及び技術習得の順序性に留意すること

2.実習計画

実習施設において学生の受入れが可能となった場合は、実習施設と調整し必要な感染予防策を講じた上で、可能な限り臨地での実習を実施すること。その際、感染を予防し、実習施設の負担を抑える観点から、実習内容を精査し、学生が臨地に滞在する時間が必要最小限となるよう計画すること。

実習施設において学生の受入れが可能となった場合は、実習施設と調整し必要な感染予防策を講じた上で、可能な限り臨地での実習を実施すること。その際、感染を予防し、実習施設の負担を抑える観点から、実習内容を精査し、学生が臨地に滞在する時間が必要最小限となるよう計画すること。

3.多様な場における支援等の活動を利用した学習

地域で生活する高齢者や障がい者等への支援等の看護実践の場以外の多様な場における支援等の活動を利用した学習を実習時間に含めて差し支えないこと。その際は、学習の目的、内容及び時間数を実習指導要綱等で明確にし、活動の前後の事前学習及び振り返りを充分に実施すること。

活動の例:
・地域で生活する孤立・孤独が心配な方への社会参加支援
・高齢者や若者(子ども)、障がい者との交流の場づくり等

4. 最終学年なのに実習が全くできない場合

そういう場合の対応について記載。

参考:日本看護学校協議会で提供している実習計画

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた職業に関する教科の実習等 に関するQ&Aについて(一部更新) 文部科学省 事務連絡令和2年7月17日

初等中等局からの発出なので、高校向けですが具体例が示されています。

一般的な対応として、3密を避けながら…

  • 事前に生徒の健康観察を行う
  • マスクの着用や共用の教材、教具、機器、設備などを適切に消毒するとともに常時換気する
  • 貸切バス等での移動にあたってはマスクの着用、会話の自粛、車内の換気(降車時に窓を開けるなど)を徹底する ・共用の教材、教具、機器や設備などを触る前後で手洗い
  • 手指消毒を徹底する
  • 実習(材料運搬や作業)においては教員・生徒同士の接触を極力避け、個人で使用する材料や道具の配布及び回収は、生徒個人が行う
  • 生徒同士の距離を可能な限り確保(概ね1~2メートル)し、対面とならないように配置する(身体的距離は「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」に示す地域ごとの行動基準を参考とする)
  • 空間を分割した少人数での活動を行う
  • 生徒が近距離で対面形式となるグループワーク等及び近距離で一斉に大きな声で話す活動については、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」に示す地域ごとの行動基準を参考とする
  • 実習服やシーツ等の洗濯頻度を高める

看護科については、校内の看護実習室での実習での取り組みとして

  • 実習ベッドは、身体的距離の確保に配慮して配置する
  • 対人的な実習において接触や長時間の会話が必要な場面では、マスクに加え、フェイスシールド、手袋等の個人防護具も活用し実施する
  • 当面は対人の実習ではなく、モデル人形に対する実習を行う

臨地実習の実施においての取り組みとして、

  • 感染拡大予防に関して、生徒の動線、更衣室・実習施設での休憩室などの使用人数への配慮等について実習施設と十分に協議を行った上で実施する
  • 実習が中止になることも想定し、柔軟に対応できるよう事前に代替の方法を検討しておく

また代替実習の例として

  • 看護が必要とされる場面の再現による演習:紙上事例や、過去に受け持った事例等を参考に患者を想定し援助方法を検討、実際にモデル人形や学生、教員などを患者として演習を行う。
  • 看護過程の展開:事例について、アセスメントし看護計画を立案したのちに、その妥当性を検証するために演習を行う。
  • シミュレーターによる演習:臨床の場面でみられる様々な患者の状態をフィジカルアセスメントモデル等で模擬的に再現し、その身体状態をアセスメントするなどの演習を行う。
  • 医師・看護師による講義・実演:臨床で遭遇する様々な場面について、モデルや視聴覚教材、参考文献等で補ったのちに、医師・看護師による校内での講義・実演などにより実践的に学ぶ。
  • グループディスカッション:医療安全、倫理的配慮が必要な事例について、カンファレンスを行ったのちに、実際に即した場面で演習を行う。