学会とお金の話


学会の理事とか大会の運営サイドの視点で、やはり気になるのはお金のことです。

おカネがかかるかどうかは、さまざまな作業をどの程度専門業者に委託するかどうかにかかってきます。昨年、某学会の編集委員長をしていた際に、どうにも仕事が処理しきれなくなり学会誌の発行が遅れてしまい、ご迷惑をおかけしたのですが、このあたりも様々な作業を委託していれば、あんなことにはならなかったのかもしれません。

大会への演題申し込みというのは、会員になってもらうよい機会ですが、今回担当する保健医療社会学会は入会金1000円と来年度の年会費8000円、参加費5000円で計14000円かかります。今年の夏にあった某学会に演題登録するときには、入会金5000円に年会費が今年度分と来年度分で計20000円、参加費10000円で35000円でした。(大学の研究費で一部支給されるとはいえ、さすがに高いなと思いました。)

職を得ている者には、それほど問題にならないのかもしれませんが、若い大学院生を呼び込むには、お金がかかるのは障壁になります。看護系は大学が増えているので、あまり問題にならないのかもしれませんが、社会学系の若手研究者には切実な問題なので、なるべく安く、でもあまり役員等の負担が大きくならないような工夫を心掛けています。

非がん患者の緩和ケアとACP


週末の在宅ケア学会もつかの間、月曜日からの実習指導が始まりました。月曜日は病院での実習指導、大学に戻ってからの卒論の指導を経て、夕方からは大学院のCNSコース向けに、本学の近隣にある梶原診療所の平原 佐斗司先生に非がん患者の緩和ケアについて講義をしていただきました。

がん患者の緩和ケアとの対比も加えながら、疾患別の特徴などをお話しいただき、最終的にはAdvanced Care Planninng を進めていく上での医師や看護師の役割などについて話し合いました。

2名いる院生のうち1名が忌引きのため、院生にとっては先生との贅沢なマンツーマン講義となりました。講義の充実ぶりを考えると、来年から他の領域の院生や教員も参加できるような形にできないか検討してみようと思います。

今日の在宅看護CNSの講義


博士前期課程の在宅看護CNSコースの講義をしてきました。

今日のテーマは、「ケアマネジメント」と「訪問看護ステーションの経営と在宅看護政策」についての講義でした。

院生さんは二人とも、介護保険のケアマネジャーでもあるので、前半のケアマネジメントについては教えることもないって感じですが、そもそもケアマネジメントの理念がなんであったのか、ケアマネジャーの現状はどうなのか、何が不足しているのかなど、議論中心の講義の展開でした。

後半のステーションの経営と在宅看護政策についても、所長と事業所の新規立ち上げをしたばかりのお二人には、細かな話をしても仕方がないので、平成21年の報酬改定から訪問看護支援事業の成果のあたりを概説し、「なぜ(小規模では採算が合わないのがわかっているのに)立ち上げ当時から10人程度のステーションを意識した制度設計をしなかったのか?」とか、制度はできたもの運用面で普及しているとは言えない「看護師による居宅療養管理指導」や「療養通所介護」「複合型サービス」について議論しました。

また、CNSには地域全体を見通して考える力を求めているので、GISを使った近隣地域のサービスを含めたニーズの把握の方法や街づくりや防災といった点からも議論をしました。

本来は生活モデルを意識するはずの地域包括ケアの推進の動きの中で、「地域の病院化 道は病院の廊下で…」みたいな過度にMedicalizationされた文言が出てくるのか、今度、猪飼周平さんにも伺ってみたいと思います。病床数が減らされるからと言って病院の医療や看護をそのまま在宅に持ち込んでくることが、療養者にとって迷惑なのかどうかは分からないけど、療養者の評価をないがしろにはしてほしくないものです。

総選挙その前に


気が付いたら衆議院が解散されていて、少しは状況を理解しようと今朝はニュース等で記者会見や党首討論みたいなものを見ていました。

私だけではないと思いますが、なんでこの時期に解散?という印象が強いです。私の専門分野に関していえば「消費税の引き上げをしない」かつ「消費税引き上げ分は社会保障にあてる」ということであれば、来年からの社会保障(とりわけ介護報酬の改定)をどうしていくのかの議論を国会で進めて欲しかったと思います。

首相の会見の映像では経済指標をいくつか挙げて、特に国内の雇用が増えたことを強調していた印象を受けました。わかりやすい指標を選んでいたと思いますが、「有効求人倍率」というのは、評価の難しい指標であり、首相の会見でこれを用いて自らの業績として掲げるのはどうかなと感じました。

続きを読む

第41回日本保健医療社会学会大会へのお誘い


地域包括ケアや在宅ケアにかかわる内容も多いので、こちらでも告知しておきます。

2015年5月16日・17日に首都大学東京荒川キャンパス(東京都荒川区)において、第41回日本保健医療社会学会大会を開催いたします。私も副大会長として皆様をお待ちしております。お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。

  • 大会長:   三井さよ (法政大学社会学部 教授)
  • 大会テーマ: 「生活モデルへの転換」
  • 主な大会プログラム
  • シンポジウム 「この20年で医療はどう変化したか?
    ――生活モデル/セルフケア/自己決定」
  • シンポジスト:
    • 猪飼周平先生(一橋大学)「病院の世紀から地域包括ケアの時代へ」
    •  松繁卓哉先生(国立保健医療科学院)「患者中心/セルフケアとは何だったのか」
    • 田代志門先生(昭和大学)「死にゆく人々へのケアはどう変化したか」
    • コメンテイター:美馬達哉先生(京都大学)、戸ケ里泰典先生(放送大学)
    • 司会:吉田澄恵先生(東京女子医科大学看護学部)
  • 教育講演 「人工呼吸器からみえる医療/家庭/社会」
    • 講師: 大森健先生(IMI首都圏ブロック)
    • 司会: 鷹田佳典先生(早稲田大学)

続きを読む

在宅看護学会シンポジウム(@東邦大)


11月15日に開催された第4回日本在宅看護学会学術集会のシンポジウムⅠ「在宅看護学実習はどうあるべきか」において、「本学における在宅看護学実習の現状と課題、そして今後に向けた取り組み」と題してお話しする機会をいただきました。

私は大学のカリキュラムや実習全体を含めた少し大きなところから話をしましたが、実習施設の立場からの乙坂佳代さんは、実際の指導の状況をお話しされ、新人訪問看護師の立場からの田代亞矢乃さんは学生時代の実習経験と新人としての取り組みの状況を大勢の聴衆の前で堂々と発表されておられました。全体としてはバランス良く、皆さんにお伝えできたのではないかと思います。

続きを読む

公衆衛生学会総会(@宇都宮)にて


公衆衛生学会総会は公衆衛生全体の動向を知ると共に、東大の同窓の皆さんの活躍を目にする機会でもあります。今年の総会は、昨年の忙しさで演題発表はできませんでしたが、いくつかの目的をもって1日だけ参加してきました。

実務的なところでは、来週の在宅看護学会に向けて、関係の先生の研究を拝見しつつ、今後の在宅看護のアカデミックな部分をどうやって進展させていくのかというお話をしてきました。

横浜市立大の柏木先生、筑波大の田宮先生のグループでは、全国の介護保険レセプトのデータを集めた分析を始められるということで、訪問看護に関する基礎的な発表がありました。医療保険では保険者機能の強化が謳われて、レセプトやDPCデータの活用が進む一方で、介護保険レセプトを使った報告は、田宮先生のグループ以外では見かけたことが無く、法的な規制などがあるのかと、お尋ねしてみました。

続きを読む

体験交流会のお知らせ


私が幹事を務めているNPO法人在宅ケア協会では、11月22日(土)の法人総会後に、住環境や街づくりといった観点から体験を話し合う会を開催します。障害がある方や高齢者の方などで体験を交換したいという方はぜひご参加ください。専門の方もコメンテーターとしてお呼びしています。

  • 時間:11:00~13:00
  • タイトル:わが家・わが街 ~だれもが社会生活を取り戻すために~
  • 参加費:無料
  • 開催場所:
    全国障害者総合福祉センター 戸山サンライズ
    東京都新宿区戸山1-22
    03-3204-3611

詳細はこちらから (事前申し込みが必要です)

GIS & Public Health


先日の∫だらけの本には手を焼きそうだったので、教科書的なこちらに目を通しています。大学院生と輪読できれば、少し気楽ですがCNSコースの院生さんには少し荷が重いと思いますので、自分で読み進めたいと思います。できれば、ここでも報告したいと思います。

明日から公衆衛生学会総会が宇都宮で開催されますが、私自身は演題発表もないので、木曜日だけ見てこようと思います。空間疫学で著名な立命館大学の中谷先生のご発表もありますし、同窓の皆さんの発表も多いので、貪欲に学んで来て来年の長崎(11/4-7)では発表したいと思います。

在宅看護学実習のシンポジスト(11/15)


11月15日(土)に開催される第4回日本在宅看護学会学術集会で、「在宅看護学実習はどうあるべきか」というシンポジウムのシンポジストをすることになっています。

私は教育機関の立場からいくつかの論点をあげてお話したいと思っています。その他のシンポジストは、以前講義にも来ていただいていた港北区医師会訪問看護ステーションの管理者である乙坂佳代さんが実習施設の立場から、教育を受けてきた立場から訪問看護ステーショングリーンの田代亞矢乃さんがそれぞれ登壇されます。

抄録集も届きましたが、講演や他のシンポも興味深く、また第1回の運営をした時に比べても、演題発表数も増え、その質も充実してきた感があります。

最後には事前申し込み者限定なのですが特定行為と研修に関する特別セミナーがあります。訪問看護での特定行為の話もそうですが、厚労省は10年で10万人を養成するといっているので、現場からどのように1万人の看護師を剥がして研修を行っていく計画なのかもきけるとよいなと思っています。