週刊医学界新聞への寄稿

医学書院で刊行している週刊医学界新聞に「これからの在宅看護学研究と教育への期待」と題して寄稿したものが掲載されました。

これまでの共同研究や科研での研究成果を踏まえて、研究の動向や、政策的な研究へのGISの導入、既存の統計データの活用などについて述べさせてもらいましたが、若干字数が不足し、教育についてはあまり触れられなかった点と、説明足らずになっているものもあるかと思います。まだ、論文化できていないものは、これから論文を書いて補足していこうと思います。

サーバーの移転

年末年始の休みにかけて、サーバーの移転をしました。
サーバーの契約から、新しいサイトの構築は1時間程度で、ドメインの移転が2時間ちょっとかかりました。

PHPのバージョンが上がったことや、モジュールモードが使えるようになったこと、APCuなども正式にサポートされているということで、ウェブサイトの表示速度は1/3程度になったと思います。
またowncloudの方も、設定を見直したこともありますが、ファイル転送の際に503エラーが出る機会がなくなりました。

元のサーバーの契約が半年程度残っていますが、意味のある変更であったと思います。



論文投稿に関する教育セミナー

12月初めに開催された第8回日本在宅看護学会学術集会で、担当した教育セミナー「学会誌への論文投稿の準備と査読への対応」の資料を一部修正したものを添付しました。この後、研修委員会の皆様と、e-learningにもっていく予定なので、前向きなご意見等をいただけると幸いです。

私も論文投稿しなければ。

添付ファイル:教育セミナー1「学会誌への論文投稿の準備と査読への対応」

訪問看護基本テキスト各論編が刊行

12月末に日本看護協会出版会から、訪問看護基本テキストの各論編が発売されます。

既刊の総論編の内容がかなり重厚なので、来年からの授業に向けて、他の先生方が執筆されたところを楽しみに読みたいと思います。

私の担当は、なんと「コミュニケーション技術」でして、実際の良質なコミュニケーションが苦手な私には、前回の「病院からはじまる在宅看取りケア」のエンゼルケアに引き続き、得意分野とはいえない内容ですが、基本的な概念の整理とそれぞれの場面の例示をしています。

抄読:特養と老健からの入院そして病院死

領域会議で自分の発表の機会があり、論文のクリティークとして、以下の論文を紹介しました。

Jeon B, Tamiya N, Yoshie S, Iijima K, Ishizaki T. Potentially avoidable hospitalizations, non‐potentially avoidable hospitalizations and in‐hospital deaths among residents of long‐term care facilities. Geriatr Gerontol Int 2018; 18: 1272–1279. https://doi.org/10.1111/ggi.13458

 

論文を選んだ理由としては、以下のようなものがあります。

  1. 日本の介護保険データと医療保険のデータを突合すると何がわかるのか・どのへんが難しそうなのか
  2. マルチレベル・ロジスティック回帰ってどんな分析
  3. たまにはちゃんと英文読もう…英語試験もあるし…(冗談です)

論文はオープンアクセスなので、内容については読んでいただければと思いますが、気になったところとすれば、1.の観点からはデータの突合だったり、項目やサンプルの使える・使えないの峻別が大変なことが垣間見えます。既存のデータからわかることしか言えないので、今回だと併存症の中での重症度や合併症の有無などはわかりません。分析をするには、それなりの技術がいりそうですね。

2.の観点から言うと、一般線形モデルのマルチレベル分析1)個人的には、日本語だとこの論文(筒井淳也、不破麻紀子:マルチレベル・モデルの考え方と実践、理論と方法、23(2)、139-149,2008) の解説がわかりやすく気に入っています。の論文は読んだことがありましたが、ロジスティック回帰でも基本的な考え方は同じのようですね。今回はfacility unit間での関連性を顧慮してモデルの選択をして、level 2にはrandam interceptのみを投入したモデルにしています。ちなみに千葉県の人口40万人ぐらいの市のデータということで、私の推測正しければ、現時点で特養が24か所、老健が8か所でした。あとこの固定効果の値をオッズ比と呼んでもよいのか、確認しよう。

考察では、「特養では2つ以上の既往歴があるとNon-potentially aboidable hospitalizations が増えるのに対し、老健では、Potentially aboidable hospitalizations が減少する」という相反するような現象について、定期的に治療や処方ができる常駐の医師がいるという特性の違いによるものと述べられています。その他にも理由を説明しながら慎重な解釈が必要とされているのですが、老健であれば看護師も多いので、医師の治療とともに合併症に合わせた予防的な介入が行われたりしているのかなとも思いました。

Limitationでも指摘されていますが、高齢者の心身状態や施設利用のしかたが多様化している中で、どのくらいの期間、どのような時期のデータを用いるのが代表性を持った結果といえるのかは結構大事だということを再確認したのと、PAHの理由として呼吸器合併症や泌尿器合併症が多いということがデータでも明確に示されたので、今後は予防的なケアの質とも絡めたり、医療費・介護費の縮減にどうつなげていくのかといった方向に進むのかなと思いました。

勉強になりました。

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