訪問看護師と医師との連携についての解説が掲載されました

在宅新療0-100 2016年12月号に、戸村ひかり助教との共著で「訪問看護の現状と医師との連携を踏まえた今後の役割」と題した解説論文が掲載されました。

訪問看護をもっと知る 連携し、地域と患者の生活を支えるために」という特集の総論として掲載されたもので、この雑誌は看護職だけではなく地域医療・在宅医療に従事する医師も読者におられるということで、訪問看護制度や訪問看護ステーションの状況などを簡単にまとめた上で、訪問以外の看護ケアの提供の仕方や、医師との情報共有やACP、看護職の継続教育まで、トピックを示したものです。

各論では、訪問看護師と在宅医とが連携しながら進めた状況が掲載されていますので、ぜひぜひお読みください。

執筆の機会を頂いた編集者やあすか山訪問看護ステーションの田中道子所長にも感謝いたします。

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今年の卒業研究が終了

本日、4年生の卒業研究の発表会が開催されました。

2月に配属が決まった後、実習をはさみながら6月と7月の週2ペースの定期的なゼミと8月以降は個別の指導を受けながら4年生が論文にまとめました。紆余曲折を経た学生もおりますが、島田先生が担当していた学生も含め、調査結果を適切にまとめられていたと思います。

今年のテーマは以下のとおりです。

  • 実習で新卒訪問看護師になれると感じた学生が就職先に病院を選択した理由
  • 在宅療養を行うがん終末期療養者の家族の予期悲嘆を支える訪問看護師の関わり
  • 医療的ケアが必要な子どもの在宅療養生活を支えるデイサービスにおける看護師の支援内容
  • 退院調整看護師により退院支援係を配置した病院の退院支援のしくみづくり(戸村ひかり助教と共同で指導)

今年は質的な研究ばかりになりました。調査にご協力いただいた皆さんには、明日以降学生がお礼と研究の報告に伺わせていただく日程等のご連絡を差し上げると思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。学生に学ぶ機会を与えて頂き、私からも感謝申し上げます。

ブログ表示の高速化

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第36回日本看護科学学会学術集会の備忘録

最近、全然このブログが更新できていません…もう少し情報発信しないと。

学会全体についての感想としては、予想以上に抄録集等のアプリが便利だったこと、不便だったのはポスターの会場間の移動がかなり多かったこと(予想はしていましたが)。

大会テーマが「政策に活かせる研究」みたいな感じだったのですが、大会長講演では、そこにどのように至るべきなのかというプランは看護研究センターを作るという点以外では、あまり示されなかったように思います。ただし、なかなか体験できない国レベルの政策決定に関与した経験を聞かせていただいた事はとても有意義でした。

政策決定に必要な研究となれば、高いエビデンスレベルの研究が必要となるようですが、看護の研究ではRCTは組みづらいし、僕もRCTをやったこともないので大層なことは言えませんが、そうであれば傾向スコアを使った研究であったり、大規模な研究や追跡研究の研究デザインの立て方みたいな部分で発表なり議論なりがあってもよかった感じがします。看保連から国に出している技術評価の基になる研究というのも一度ちゃんと調べてみよう。

また私は在宅看護のセッションの一つで座長をしていたのですが、東大の野口麻衣子さん達の発表は訪問看護師の就業継続意向と、同僚間の関係性を見たもので、やはり関係性が良いことが大事だということでした。この研究に関連して、以前も訪問看護師の職業ストレスの研究をどこかの先生がご発表になったときにも、思ったのですが、1施設で3名ぐらいが回答されていたようなので、所属施設を識別できるようであれば、マルチレベル分析をすると単に個人の回答だけではなく、施設ごとの関係性も変数として取り上げられるし、より正確な情報が得られるのかなと思いました。訪問看護ステーションのような施設による違いが大きい組織を対象とした量的研究では、標準的な研究デザインの選択肢になるとよいのかななどと座長をしながら思っていました。

公開データでGISとかしている私ですが、やっぱり研究デザインが大事だなと感じた学会でした。