訪問看護に関する介護報酬の改定案

第119回社会保障審議会介護給付費分科会資料が公開されました。
主な改正点は3か所

基本報酬について

訪問看護ステーションでは若干の減算となり

時間数改定前改定後
20分未満318単位310単位
30分未満474単位463単位
30分以上1時間未満834単位814単位
1時間以上1時間30分未満1144単位1117単位

病院・診療所からの場合は、逆に増額となり

時間数改定前改定後
20分未満256単位262単位
30分未満383単位392単位
30分以上1時間未満553単位567単位
1時間以上1時間30分未満815単位835単位

病院からの報酬の増額については、病院・診療所からの訪問看護の供給を促すということですが、この程度の変化でどの程度供給量が増えるのかを見守りたいと思います。

中重度の要介護者の在宅生活の支援の評価

看護体制強化加算 300単位/月を新設。この算定要件は

  1. 算定日が属する月の前3月において、指定訪問看護事業所における利用者の総数のうち、緊急時訪問看護加算を算定した利用者の占める割合が100分の50以上であること。
  2. 算定日が属する月の前3月において、指定訪問看護事業所における利用者の総数のうち、特別管理加算を算定した利用者の占める割合が100分の30以上であること。
  3. 算定日が属する月の前12月において、指定訪問看護事業所におけるターミナルケア加算を算定した利用者が1名以上であること(介護予防を除く)。

訪問看護ステーションからのリハ職の訪問の見直し

時間数改定前改定後
1単位318単位302単位

訪問リハビリ事業所からの訪問リハと類似した実態にあるということでの減算のようですが、訪問リハ事業所とどの程度地域的に重複があるのか、調べてみたいですね。

ケアプランは共有できてこそ

在宅看護の実習指導を毎年行っていて、同じようなことを何度も説明することは厭わないのですが、現状が改善しないことにはモヤモヤした感じがするのです。

訪問看護は介護保険のサービスとして提供される場合には、ケアマネージャーが作成するケアプランに位置付けられ、事業所にも送付されてきます。

しかし、介護保険サービスの利用者でもいくつかの疾患や状態に該当する場合には医療保険から給付されます。ケアプランの「サービス内容」の記載には、介護保険サービス以外の制度のサービスや家族などによるインフォーマルなサポートも含めて、「全体として、どのようなサービス体制が組まれているのかを明らかにすることが重要である。」(介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について 別紙1)となっているので、医療保険からサービス提供される場合でもケアプランに記載されている場合が多いのですが、訪問看護ステーションにケアプランが送付されてこないケースがたいへん目立ちます。

現行では、利用者と介護保険サービスの事業者については遅滞なく送付することになっていますが、他の制度の事業所に対しては義務と明記されていません。しかし、こうしたケースでは多くのサービス・事業所が導入されているケースが大半を占めます。せっかく作成した自分のケアプランは紙の上に書かれているだけでは意味がなく、共有されてこそ活用されるでしょうし、利用者さんのメリットとなるはずです。

4月の介護報酬の改定では報酬の引き下げばかりがクローズアップされていますが、こうした問題や介護予防事業の部分など内容面でも注目していく必要があると思います。
基礎から学べる「ケアマネジメント実践力」養成ワークブック

「論」を「学」にする

金曜日が年内の勤務の最終日でしたが、私は在宅看護についての話し合いのために都内の某大学まで出張してきました。

何のための話し合いかというと、看護職の養成カリキュラムの基準となっている「保健師助産師看護師学校養成所指定規則」という厚労省の省令の中では、在宅看護に関する教育は「在宅看護論」となっているのですが、これを「在宅看護学」という名称に変更できないのかなというお話でした。

学問の世界は自由なものなので、〇〇学会とか、〇〇学という名称を勝手につけて標榜していても特に問題になるということではありませんが、広く認知されるには、学問的に体系化されているかどうかとか、その分野を担う研究者が一定程度いて、研究活動が実質的に行われているのかどうかといったことが要件となると思われます。

「在宅看護論」がカリキュラムに加わったのは1996年の改正の際で、介護保険法の施行を見越してという時代背景がありました。その頃は確かに上に書いたような要件は満たしていなかったから「論」になったのだと思われます。現状はずいぶん研究者も増え、在宅看護専門看護師も誕生し、日本在宅看護学会も創設され、研究論文も増えている状況なので、それなりの立場の先生が声を上げれば、カリキュラム自体の変更はなされるのではないかという気もするのですが、皆さん真面目なので、この際にこれまでの研究成果の整理や、ほかの看護領域との違いを明確化したいというお話しだったので、今後は在宅看護の体系化を図ることを目的としていくことになりました。

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学会とお金の話

学会の理事とか大会の運営サイドの視点で、やはり気になるのはお金のことです。

おカネがかかるかどうかは、さまざまな作業をどの程度専門業者に委託するかどうかにかかってきます。昨年、某学会の編集委員長をしていた際に、どうにも仕事が処理しきれなくなり学会誌の発行が遅れてしまい、ご迷惑をおかけしたのですが、このあたりも様々な作業を委託していれば、あんなことにはならなかったのかもしれません。

大会への演題申し込みというのは、会員になってもらうよい機会ですが、今回担当する保健医療社会学会は入会金1000円と来年度の年会費8000円、参加費5000円で計14000円かかります。今年の夏にあった某学会に演題登録するときには、入会金5000円に年会費が今年度分と来年度分で計20000円、参加費10000円で35000円でした。(大学の研究費で一部支給されるとはいえ、さすがに高いなと思いました。)

職を得ている者には、それほど問題にならないのかもしれませんが、若い大学院生を呼び込むには、お金がかかるのは障壁になります。看護系は大学が増えているので、あまり問題にならないのかもしれませんが、社会学系の若手研究者には切実な問題なので、なるべく安く、でもあまり役員等の負担が大きくならないような工夫を心掛けています。

非がん患者の緩和ケアとACP

週末の在宅ケア学会もつかの間、月曜日からの実習指導が始まりました。月曜日は病院での実習指導、大学に戻ってからの卒論の指導を経て、夕方からは大学院のCNSコース向けに、本学の近隣にある梶原診療所の平原 佐斗司先生に非がん患者の緩和ケアについて講義をしていただきました。

がん患者の緩和ケアとの対比も加えながら、疾患別の特徴などをお話しいただき、最終的にはAdvance Care Planninng を進めていく上での医師や看護師の役割などについて話し合いました。

2名いる院生のうち1名が忌引きのため、院生にとっては先生との贅沢なマンツーマン講義となりました。講義の充実ぶりを考えると、来年から他の領域の院生や教員も参加できるような形にできないか検討してみようと思います。

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白衣を捨てて街に出よう!