国家試験から今後の教育の方向性を考える

今年の国家試験は「出題傾向が変わった」的な反応が受験生から見られたようで、ネットニュースでも取り上げられたりしていました。

「在宅看護論」に該当する出題は14問ぐらいでしたが、少し考えることになった出題がありました。

 Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1階の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動及び移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。

母親は「Aは来年の4月には小学校に入学する年齢だけど、入学に向けてどうすればよいのか分からない」と訪問看護師に相談した。
訪問看護師が行う援助として適切なのはどれか。

  1. 自宅に教員を派遣できる小学校に連絡する。
  2. Aちゃんが入学できる特別支援学校を紹介する。
  3. 父親に仕事を調整してAちゃんの送迎をするよう勧める。
  4. 教育委員会に小学校入学に関する相談をするよう勧める。

学齢期前の障がい児の就学に関する出題は、小児の訪問看護に関わる看護師の中では大切な事項であり教育機関との連携のなかでの発達を考える上でも良い問題だと思います。その一方で、これが全ての看護学生が知るべき知識という位置付けだといわれると、教育に力を入れている私達でも自信が持てません。

国家試験出題基準の見直しが予定されているようですが、今後、場面は在宅だが内容は他の専門領域に関する出題という形が増えるようであれば、教育の仕方も色々変えていかないといけないのかもしれません。

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