今どきの高校生の看護師像

この数年、高校生対象の模擬授業や大学訪問の対応、入試の面接などをしていて、何となく感じるのですが、高校生が考える看護師の仕事を「注射や点滴をする人」「患者さんや家族のお話をきいて心のケアができる人」と答える人が結構多い。少ししつこく「その他にはどんなものがある?」って聞くと、困ってしまうそぶりを見せるので、さすがにそれ以上は意地悪く尋ねはしませんけど。

今どきの高校生には看護師がケアをする専門職だという認識はあまりないのかもしれませんね。術後の離床を促すために、患者さんの動きを逆算して鎮痛剤をつかったり、トイレで排泄したいという気持ちをうまく引き出したり、そういうところにプロの技があるし、インファントウォーマーにいるお子さんのAラインの波形が鈍くなってきたら、入れ替えに備えて日勤の間に反対側の手をきれいにして準備したり、飲水や食事制限のある患者さんに上手に進めていくためのコツをお伝えしたりする。私はそういうクリティカルなところから日常の生活まで、患者さんの生活を看ながら、治療とのバランスをとりつつケアするのが看護の醍醐味だと思っているのだけど古臭いのかなあ。

介護職が一般的に知られるようになったこととか、若者の生活環境がよくなったり病気にならなくなり、生活の中で苦痛を感じる体験が少なくなったことの裏返しなのかも。