介護職による吸引と胃瘻注入
今、厚生労働省で「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」という会議が開催されています。
本当は傍聴したいのだけれど、行けないのですが、CBNewsによると、第3回の会合では、厚労省から試案が示され、
「たんの吸引と経管栄養の両方を行う場合は、基本研修として50時間の講義と、それぞれ5回以上の演習を行ったうえで、医師の指示を受けた看護師の指導のもと、実地研修を行う」などの内容を盛り込んだ研修カリキュラム案が示された。カリキュラム案には、▽患者(利用者)ごとの個別計画の作成▽介護職員を受け入れる場合には、介護職員数人につき指導看護師を1人以上配置▽指導看護師は、臨床などで3年以上の実務経験を持ち、指導者講習も受講している ―など、実地研修に必要な基本要件も明記されている。
ということなのだけど、議論の方向性が見えない…。
在宅と施設では、利用者も職員の状況も違い、求められる能力も違うのに一律で研修プログラムを作ろうというのが、いかにも現場を知らない役人が作った案という印象。
施設ではまったくの無資格の職員もいるけど、在宅では原則ヘルパー2級は介護職の方が持っている。そしてALS患者さんは、2日の重度訪問介護従事者研修を受けた学生アルバイトなどを自分たちで育てて吸引をしてもらっている。会議に参加されている橋本みさおさんもそうやって十何年(初めてお会いしたのは僕が大学3年生のとき)も生活され、生きているというのに、当事者から学ぶ姿勢が感じられない。
気管吸引用のシミュレーターはうちの大学にもあり、集合研修でやるなら講座を開いてもよいかなと思ったけど、座学で50時間も講義を受けたら、介護事業所は20万円の減収になる。そこまでして、ヘルパーに在宅で吸引をさせようという経営者がいるだろうか。
行政は制度を作るということが、制度を利用できない人を作り出す可能性があることを肝に銘じないと。
そして施設や訪問看護の看護師の充実を図り介護職との相互的な研修と重層的なケア体制の構築のための議論をしてほしい。
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