第36回日本看護科学学会学術集会の備忘録

最近、全然このブログが更新できていません…もう少し情報発信しないと。

学会全体についての感想としては、予想以上に抄録集等のアプリが便利だったこと、不便だったのはポスターの会場間の移動がかなり多かったこと(予想はしていましたが)。

大会テーマが「政策に活かせる研究」みたいな感じだったのですが、大会長講演では、そこにどのように至るべきなのかというプランは看護研究センターを作るという点以外では、あまり示されなかったように思います。ただし、なかなか体験できない国レベルの政策決定に関与した経験を聞かせていただいた事はとても有意義でした。

政策決定に必要な研究となれば、高いエビデンスレベルの研究が必要となるようですが、看護の研究ではRCTは組みづらいし、僕もRCTをやったこともないので大層なことは言えませんが、そうであれば傾向スコアを使った研究であったり、大規模な研究や追跡研究の研究デザインの立て方みたいな部分で発表なり議論なりがあってもよかった感じがします。看保連から国に出している技術評価の基になる研究というのも一度ちゃんと調べてみよう。

また私は在宅看護のセッションの一つで座長をしていたのですが、東大の野口麻衣子さん達の発表は訪問看護師の就業継続意向と、同僚間の関係性を見たもので、やはり関係性が良いことが大事だということでした。この研究に関連して、以前も訪問看護師の職業ストレスの研究をどこかの先生がご発表になったときにも、思ったのですが、1施設で3名ぐらいが回答されていたようなので、所属施設を識別できるようであれば、マルチレベル分析をすると単に個人の回答だけではなく、施設ごとの関係性も変数として取り上げられるし、より正確な情報が得られるのかなと思いました。訪問看護ステーションのような施設による違いが大きい組織を対象とした量的研究では、標準的な研究デザインの選択肢になるとよいのかななどと座長をしながら思っていました。

公開データでGISとかしている私ですが、やっぱり研究デザインが大事だなと感じた学会でした。

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